2013年5月25日土曜日

続・わたしたちイマジナクトラボは自らコンテンツマーケティングの実験台となり、その様子をブログなどで継続的に発信してまいります。で、具体的には?

前回のブログで、イマジナクトラボ自体の取り組みをコンテンツマーケティングの実験に活かし、その気づきを公開すること、そしてその背景についてお伝えしました。
そこで今回は、基本的な実験と公開の進め方について書きたいと思います。


イマジナクトラボの取り組みを図解してみるとこんな感じ

まずは、現状のイマジナクトラボの取り組みを俯瞰してみましょう。

改善の余地大アリ=飛躍の大チャンス!

①イマジナクトラボはもともと無料セミナー・勉強会などのイベントから始まりました。
リアルな学びの場をオーガナイズしたことある方はわかると思いますが、そのコンテンツはとてもパワフル。ウチの中核的なコンテンツは実はリアルイベントなんですね。

②リアルイベントでご登壇いただいたエキスパートのみなさんを中心にインタビューを行い、コンテンツ化ウェブ上からお読みいただけます。PDFでもご提供しています。
また不定期ですが、コンテンツマーケティングやストーリーテリングに関するブログもアップしています。

③ソーシャルメディアはFacebookGoogle+を活用しています。
おもに海外からの情報をキュレーションしています。
もちろん告知チャネルとして新着情報も。

「やりたいこと、かつできること」をすこしずつふやし、それらを継続して現在に至っております。

たとえば...
社内スタッフのスキルアップのためにセミナーやろう!
→せっかくだから社外の方にも来て参考にしてもらえばいいんじゃない?
→セミナー・勉強会の誕生!

あるいは...
セミナー参加者との情報交換の場があればいいなあ。
→フェイスブックページを利用しよう!
→どうせやるなら、全国のマーケターとつながりたいよね。
→その人たちにも喜んでもらえるコンテンツ必要だね。
→セミナーの講師の方に取材して対談コンテンツをつくって提供しよう!

といった具合ですね。

したがいまして、ゴールを設定して逆算方式で具体的な施策群を考えるといった戦略性はあまりなかったと反省しています。ソーシャル偏重の現状はこのあたりに起因しているんだと思います。

このように「やるべきこと」じゃなくて「やりたいこと」をスタートにするのはリスクもありますが、一方でだからこそ「スタッフ補充なし」「通常業務そのまま」でも膨大な作業量をともなうプロジェクトを地道に続けてこれたんじゃあないかとも思います。

まあ足りないところはこれからやっていけばいいですよね。わっはっは。


で、これからどうする?

まずは、全体最適を実現するためのフレームを用意します。
 コンテンツマーケティングは非常に取り扱う領域が広いので、先輩成功者のみなさんが活用しているフレームを活用していきたいと思います。これによりプロジェクト全体と進捗を把握しやすくなるし、「できてること」と「できてないこと」がよくわかるようになると思います。
世の中にはいろんなフレームがあると思いますけど、今回はSMX WEST 2013のワークショップで学んだ、Vertical Measures社のThe Vertical Measures Approachをベースに進めていきたいと思います。もちろん、他のソースから得られる情報も加味してウチなりのフレームにカスタマイズはしていきたいですね。

3月に学んだコンテンツマーケティングのフレームワーク


バクッとフレームをご紹介!

The Vertical Measures Approachは、コンテンツマーケティングを8つのステップ(要素)に分けて、戦略立案から実施、効果測定までをモレなく、ダブりなく進められるように設計されたものです。

Step1 : 戦略をつくる
目的、オーディエンス、スタッフ、コンテンツ、近未来ビジョンなどを明確にしていくフェーズ。
前提として「パブリッシャーとして考える」ことが大切だそう。コンテンツそれ自体を製品やサービスと捉え、その品質や流通、プロモーションなどを組み立てていくというワケですね。
     
Step2 : 調べる
キーワードリサーチやソーシャルリスニングを活用して、オーディエンスの興味・関心を知り、コンテンツづくりや流通などの成果アップに活かしていくためのデータ収集フェーズ。

Step3 : コンテンツをつくる
コンテンツマーケティングが普及してくると、情報バクハツのトレンドがさらに加速されますよね。そんな状況で目立つための王道は「上質な」コンテンツをつくること。
オーディエンスはコンテクストによって、「即答してほしい」「詳しく教えてほしい」「インスパイアしてほしい」という3つの欲求をもっているようです。これらに対応したコンテンツを提供する必要がありそうです。
     
Step4 : コンテンツを整える
おもに検索サイドで見つけやすくしてもらえるようにコンテンツを仕立てていくこと。SEOのために重要な要素を洗い出して、一つひとつつぶしていく感じでしょうか。
はっきりいって苦手です。でも大切ですね。がんばります。

Step5 : コンテンツを広める
ソーシャルメディアやPR、Eメールなどなど、様々なチャネルでコンテンツを知ってもらうフェーズ。
このアプローチには触れられてませんし、とくにオンラインにおけるコンテンツマーケティングの範疇ではないのかもしれませんけど、各種広告も検討の余地はあるでしょう。またウチの場合、セールスフォースも活用できるので、オフラインも含めて幅広にチャレンジしてみたいですね。

Step6 : コンテンツを流通させる
コンテンツを流通させるチャネルとその組み合わせ、それぞれのチャネルに合わせたコンテンツのチューニング。
ここでも、各種ソーシャルメディアを賢く使うことはとても大切ですね。

Step7 : リンク・ビルディング
おなじみリンクビルディング。全盛時にくらべるとその影響力の低下は否めないんでしょうけど、内部リンクも含め、真っ当かつ今できることがあるということでしょう。
とはいえ、本質的にはいい「コンテンツはリンクされる」というのが基本だと思います。
ちなみにワークショップでは驚くほど短時間でこのポイントを流しました。

Step8 : 成果を測る
ゴールにもとづく指標とベンチマークを決め、継続的に検証する。
これにより仮説立案と検証ができるうえ、オドロキを伴う考察を得られることもある。次の戦略、アクションを決めるためのキモですね。
    
以上が8つのステップの概要です。「ステップ」と表現されていますが、コンテンツマーケティングを構成する「要素」と言ってもいいかもしれませんね。


得られた成果をどう発信していくか?

まずは各ステップにはそれぞれ多様なテーマがあります。それらを「考える」→「実践する」→「振り返る」の3幕(3フェーズ)に分解します。

テーマ×フェーズが基本的にブログ1ネタの基本単位になります。これにより、徐々に網羅的なアーカイブに育ち、来訪者にはブログタイトルから読みたい内容を探しやすくなるんじゃないかと思います。

ブログは、基本的に実際担当したスタッフが書くようにします。つまり、私以外のブログもアップされてくる予定です。実際に汗をかいた者の実践ノウハウとしてご活用いただければ幸いでございます。


以上がいま考えている実験台プロジェクトの進め方です。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。



2013年5月14日火曜日

わたしたちイマジナクトラボは自らコンテンツマーケティングの実験台となり、その様子をブログなどで継続的に発信してまいります。

すこし前から考えていました。そして、「準備が整ってから」と思っていましたが、それじゃあ一向に進捗しないので、とりあえず始めようと思いました。心境としてはこんな感じですかね。

思い切っちゃおう!
©iStockphoto.com/Martin Allinger


そもそも「イマジナクトラボ」って何よ?

イマジナクトラボは2010年の6月に発足した株式会社大和広告の社内プロジェクトです。もともとはマーケティング、コミュニケーション、テクノロジーの社内研究プロジェクトとしてスタートしたのですが、徐々に「会社の外=社会」に対する志が固まってきました。

「企業や団体のマーケティング力アップに役立つ情報提供をつうじて地域活性化につなげたい」

広島県福山市という地方都市で育てていただいた私たちが、専門性を発揮できる領域で地域に貢献できることは何か?同時に私たちメンバーの成長にもつながる取り組みは?その問いを模索してきた3年間でした。

おもな取り組みはイマジナクトラボのウェブサイトをご覧いただければと思いますが、これまでに24回のセミナー・勉強会を開催、のべ886人の方にご参加いただいてます。フェイスブックページのファンは18,000人を超え(2013年5月14日現在)、その他各領域のエキスパートの方々のオリジナルインタビューなど、ほとんどのセミナー、コンテンツを基本的に無料でご提供しています。
県庁所在地でもない一地方都市からの取り組みとして、ここまで続けてこれた。これも地元経営者・マーケターの皆様、フェイスブックで支えてくださっている全国のファンの皆様のご理解がなければ実現しなかったと思います。ありがとうございます。


イマジナクトラボの課題って何よ?

そりゃもう課題は沢山ありますよ。

なかでも一番の課題だと思ってることは...

「わかる」と「できる」の間に流れる大河を越えられていないということ。

以前にくらべて格段に情報収集・発信量は増えました。ネット上だけではなくカンファレンスやコミュニティに参加し、国内外のオピニオンリーダーからの情報も直接収集、それらに基づいた考察を発信するようになりました。直近ではサンノゼで開催されたSMX WEST 2013に参加してきました。これにより、今のマーケティング業界のトレンドの全体像がクリアになり、実際に企業のマーケティングを支援させていただく上でもとても役立ってます。

でも結局は「他者の知見」をリアルセミナーやインタビュー、そしておもにキュレーションを中心としたソーシャル(とくにフェイスブック)偏重の情報発信をしていたのにすぎないんですよね。「他者の情報」に触れ、それらに考察を加えているだけではコンテンツマーケティング的な視点からして効果的ではないし、私たち自身が本当の意味で「新しいスキルを血肉化する」には至りませんよね。つまりウチの場合、とくにストック型の持論系コンテンツにおいて、下の図でいうところの「わかってるのにできない」状態(「わかる」→「できる」の大河を越えられずに岸にしがみついてる辺り?)に留まっているんじゃあないかと。ちょっと残念。

コンテンツマーケティングの実験台になろうとしているイマジナクトラボの現状
まだまだ「エキスパートですっ!」と胸張れない分、体張って成長を加速しようってワケです。



もちろん実践から得られた価値ある学びや資産も

とはいえ、不完全ながらも3年近く実践してきたイマジナクトラボの活動は私たちにいろんな学びをもたらしてくれました。「ソーシャル(フェイスブック)偏重」のいまのカタチが決して最適ではないとはいえ、実践の中でソーシャルメディアでフロー系コンテンツを取り扱うための知見など着実に蓄積されてきているし、そもそもマーケティングを支援する企業のなかで、マーケターにリアル・ネット両面で継続的かつオープンな学びの場(コンテンツとコミュニティ)を実際に提供している会社って、全国的にもそんなに多くないと思うんです。これは実践した会社しか得ることのできない、ウチならではのノウハウ、リソースですよね。
そしてイマジナクトラボの取り組み自体を「ソーシャル中心」から「コンテンツ中心」に進化させることで、リアルとネットを跨ぐ「コンテンツマーケティングの実践知」をもっと多く生み育てられると思うんです。


だったらイマジナクトラボでもっと過激に挑戦、その成果を情報発信すれば?

ラボの内幕を公開することは、メンバーが常に新しいことに挑戦する動機づけにもなるし、社外の方に見られているぶん一つひとつの施策を丁寧にやろうとする。ブログなどの記事にまとめるプロセスでしっかり反省できる。

しかも実践に基づくオリジナルな情報なので、読み手のみなさんにも貴重なケーススタディとして喜んでいただけるはず(内容にもよりますけどw)。しかも、ネット上にコンテンツが蓄積されていくことは地元だけでなく、全国のみなさんにもより多くの情報をご提供できることを意味します。ウチのフェイスブックページのファンは東京をはじめ全国に遍くいらっしゃるので、この流れはファンのみなさんにも歓迎していただけそうです。

メリットだらけではありませんか!


リスクもあるけど?

せっかくのノウハウを公開するのもリスキーですけど、社内でこっそりウマいことやろうと思っても、ウチの場合なかなか進捗しないのでもういいです。それに読者のみなさんも本当に実践しないと「できるゾーン」に到達しないだろうし。
そんなことより、まずはみなさんの役に立つ情報をご提供しないことにはね。


で、具体的には?

近日中に本稿の続編「わたしたちイマジナクトラボは自らコンテンツマーケティングの実験台となり、その様子をブログなどで継続的に発信してまいります。で、具体的には?」でお伝えいできればと思います。



さいごに

「実験台」とか言ってますけど、これらの取り組みはすべて最終的に私たち自身の成長につながること。私たちが成長するそのプロセスを通じて、みなさまのコンテンツマーケティングに役立つ実践的なブログを目指してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。あ、もちろん他のネタもやっていきますよ。

では今日はこのあたりで。