2013年6月8日土曜日

O2Oとコンテンツマーケティングの交差するところ、マーケティングのミライ。

6月のイマジナクトラボ勉強会アイリッジCOOの黒瀬翼さんにO2Oの今とミライについてお話しいただき、さらに翌日オリジナルコンテンツ用のインタビューまでお付き合いいただきました。

瀬戸内海をバックに熱く語る黒瀬さん(奥)。手前の後頭部カリアゲ青シャツメガネがワタクシ。
こちらの対談コンテンツも近日公開予定です。


「オマエ最近はコンテンツマーケティングにフォーカスしてたんじゃあないのか??」

ハイ。そんなお声を頂戴しそうですけど、これがまたイイんです。
例の「弱い紐帯の強さ」というアレですよアレ。いまコンテンツマーケティングにフォーカスし始めたからこそ、O2Oのエキスパートとの対話から見えてきたものもあるように思うんです。そこで、今回はその気づきについて書いてみようと思います。


O2Oに対する私の誤解

黒瀬さんのレクチャーと対話を通じて私なりのO2Oに対する考察を超カンタンにまとめると以下の通り。
※以下はワタクシ花崎の個人的な考察であり、黒瀬さんご本人のお考えとは異なる部分もあるかもしれません。あらかじめご了承ください。

■O2Oの本質は最新のテクノロジーを使ってお客様との距離を縮めること

■そして「リアル」な関係性をよくしていくことこそが大切なんだということ


店舗に足を運んでもらうにはそれなりの「動機」が必要ですよね。
たとえば...
「お得だから行く」とか「楽しそうだから行く」とか「役立ちそうだから行く」とか。
フィジカルな店舗で足を運びたくなる「何か」が行われているワケです。

お店側の企画実施手順としては
①まずその動機付けのネタを考えて
②イベント(出来事)化し、
③それらを情報として適切な場所、適切なタイミング、適切なコンテクストで適切な人に「情報」として届けると。

そして、お客様との距離を縮め、リアルな関係性をよくしていこうとすればするほど、お店や現場のイベント(出来事)の質が重要になってきますよね。たんに人集めりゃいいってもんじゃないという。

O2O(online-to-offline)っていう目的志向なコトバのせいかもしれませんけど、私これまでより短期的な成果にフォーカスしたものというイメージをなんとなく持っていました。たとえばカンタンにいうと「位置情報×スマホ×動機付け情報=ご来店」をいかに効果的に実現していくか、を毎回突き詰めていく感じ。

でも実際は、短期的な集客効果はもちろん、それらをいかに長期的な関係性につなげていけるかが本当の意味で勝負の分かれ目といったところでしょうかね。


見えてきたコンテンツマーケティングとの共通点

ここまでお読みいただければもうお分かりかもしれませんね。

O2Oのポイントのひとつとして私は、
「お客様との距離を縮め、関係性をよくしていくために店頭、現場でのイベント(出来事)の質を担保すべし」
ということを挙げました。

そして「イベント(出来事)」の部分を「コンテンツ」と置き換えるとどうでしょうか。
そのままコンテンツマーケティングのポイントに通じると思いませんか?上質なコンテンツを見つけてもらいやすく提供すること。そしてオーディエンスの信頼を得て、関係性を育むこと。これは現在注目されている2つのマーケティングキーワードに共通する本質かもしれません。

そして、コンテンツマーケティングにもO2Oにもコンテンツやイベント(出来事)になり得る「ネタ」が必要です。さらにいえばコンテンツマーケティングにおいても、O2Oと同様にフィジカルな体験をともなう「ネタ」はとてもパワフルに機能すると思います。


音楽業界にみるリアル体験のチカラ

音楽業界のコンテンツ販売が構造的な不振に陥って久しいですよね。そんななかライブ収入に注目が集まっているのはご存知でしょうか。

『1600億円-音楽業界でまさかの「逆転現象」発生中(President Online)によると、パッケージ販売のプロモーション的なかつて位置づけから、ライブそのもので収益をあげていこうという流れになってきていて、ライブの公演数も増えてきているようです。


「CDが売れないから仕方なくライブで収益あげるしかない」とか「ライブ数増加もあり客が入るものと入らないものに二極化」などの意見もありますけど、私は「生活者がCDは買わなくなったのに、ライブにはお金を払って観にきてくれる」というのはライブがもつリアル体験のチカラだろうと思います。体験としてのインパクトが違います。
どんなに時代が変わろうとも、人間にとってリアル体験に勝るものはない。そう思いませんか?

 ©iStockphoto.com/dwphotos



「リアルな体験」を中心に据えてユーザー体験をデザインする

O2Oの場合は売り場のネタ=イベント(出来事)はおのずとリアルな体験になりますけど、コンテンツマーケティングの場合、意識しなければリアルな体験をともなわない「情報」だけになりがちです。

もちろん情報として役立つコンテンツは絶対必要です。くわ
えてオーディエンスとの共通体験をリアルに得られる機会をセットし、それらを起点にコンテンツを充実化させることで、より効果的にオーディエンスとの距離感を縮められるようになると思います。

そのあたりを念頭においてユーザー体験をイメージして、情報&導線のデザインをするとよろしいんじゃあないかと。


不易と流行

いまマーケターが注目している「コンテンツマーケティング」も「O2O」もコトバとしては数年後には死語になっているかもしれません。一方でそれらは、もともとあるマーケティングの本質を新たな視点からフォーカスし、照らし出した考え方のように思えてきました。そういった意味で、両者の共通点=顧客・オーディエンスとの関係性をリアルで育むという視点はいつの時代も大切なんだと思います。

マーケティングの「不易」は忘れずに、時代にあわせてテクノロジーやツールを適用していければいいですね。


というわけで、今日はおしまい。

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